食べ過ぎ、ストレス、生活習慣、ホルモンバランスの乱れ。肥満の原因は人それぞれです。
そのため、肥満外来の治療では、入念な検査やプロによるカウンセリングによって、患者の体の状態に合った治療を考えていきます。王道の食事指導、運動指導はもちろんのこと、時にはメンタルケアや投薬、体にメスを入れる外科手術を取り入れることもあります。
ここでは、肥満外来だからこそできる5つの治療方法を解説します。
1. メンタル療法
精神的なストレスは、肥満の大きな原因の一つです。
特に過食やリバウンド、停滞期での挫折などは、ストレスから引き起こされるケースがほとんど。肥満外来では、患者に専属のカウンセラーをつけるなど、メンタルケアにも力を入れています。
また、ダイエット中にありがちな「我慢しきれずに食べてしまう」→「そんな自分に罪悪感を覚え、そのストレスでまた食べてしまう」のような負のスパイラルも、メンタルを少し変えるだけで、大幅な改善を期待できます。
2. 食事療法
最も一般的な、食事をコントロールする方法です。ただし、自己流ダイエットにありがちな過剰な食事制限は行いません。
食事療法では、自分の食習慣や健康状態に基づき、適切な摂取カロリー、栄養素の配分などを精査。実際に毎日の食事を記録し、栄養士などの指導を受けながら、ただ体重を落とすのではなく健康的に痩せていきます。
食生活を根本から変えるため、治療後の生活も劇的に改善されるでしょう。
3. 運動療法
肥満を解消するために、運動やエクササイズを指導する方法です。
激しい運動によるカロリー消費に頼るのではなく、軽めの有酸素運動を中心にメニューを組むため、運動音痴な人でも無理なく続けられます。
目的は、体の基礎代謝を高め、脂肪を燃焼しやすくリバウンドしづらい体質を作ること。1日の消費カロリーの約7割は基礎代謝が占めるため、これは理にかなっています。
また、運動はストレス解消にも繋がるため、過食の防止も期待できます。
4. 薬物療法
重度の肥満や、なかなかダイエットの成果が出ない場合には、抗肥満薬や漢方、サプリメントなどを処方することもあります。
なかでも抗肥満薬は、満腹中枢に働きかけて食欲を抑制する作用を持っており、高い効果を期待できます。
かといって薬頼みのダイエットになってしまうと、薬をやめた途端にリバウンドしてしまうため、役割はあくまでも食事・運動療法のサポート。
肥満大国と言われるアメリカではポピュラーな方法ですが、当然ながら副作用もあるため、内服にあたってはしっかりとした検査も必要です。
5. 外科手術
「減量手術」と呼ばれる外科手術も存在します。
これは、胃を縛ったり切除したりすることで、容量を制限し、物理的に食欲や栄養の吸収を抑えてしまう方法です。アメリカでは積極的に行われ、現時点では最も確実に痩せられる方法とも言われています。
一方で、術後の痛みはもちろんのこと、体にメスを入れることには相応のリスクも伴うため、決断に際しては慎重な判断が必要です。
ちなみに、美容クリニックなどで行われる「脂肪吸引」は減量手術には含まれません。
大切なのは、信頼できるプロの治療
どんな治療を受けるとしても、大切なのは肥満の専門家による指導であること。
ダイエットに関する情報が氾濫している昨今では、自己判断で間違った方法を取るのではなく、専門家の助けを借り、医学的なアプローチで減量に取り組むことの重要性が高まっています。
肥満外来のなかには、無料でカウンセリングを行なっているところも多いです。「この先生なら任せられる」と思えるようなクリニックを探して、自分に最適な治療を受けましょう。
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