更年期の女性が肥満になりやすい理由とは?メタボリックシンドロームを引き起こす“トリプルリスク”

Chie
若い頃は太らなかったのに、40代にかけて太りやすくなった……という女性も多いのではないでしょうか?

女性は40代半ばから50代にかけての「更年期」に突入すると、肥満を引き起こしやすい体質になります。

そして、更年期による肥満は、通常の肥満と比べて糖尿病や高脂血症といった生活習慣病に繋がりやすいと言われています。

今回は、更年期女性が肥満になりやすい理由と、その危険性についてお話しします。

 

エストロゲンの減少

更年期の女性が太りやすい理由、それは「エストロゲンの減少」にあると言われています。ちょっぴり複雑なのですが、そのメカニズムを説明しますね。

 

「エストロゲン」とは女性ホルモンの一種で、妊娠や出産のために働いたり、脳や骨、血管、皮膚、粘膜などを健康に保ったりする役目を担っています。

それだけではなく、エストロゲンには食欲を抑制する効果もあります。

これは、エストロゲンに含まれる「レプチン」という成分の作用によるもの。レプチンが不足すると「グレリン」が増え、食欲が増進するほか、内臓脂肪を燃焼しづらくなります

 

そして、女性は40代前後になると、閉経に備えて女性ホルモンの分泌が大幅に低下します。エストロゲンも女性ホルモンの一種ですから、例外ではありません。

エストロゲンが減ればレプチンも減り、レプチンが減ればグレリンが増える。

その結果、食欲に負けて食べ過ぎてしまったり、内臓脂肪が思うように燃焼されなくなったりする。これこそが、更年期の女性が太りやすくなるメカニズムなのです。

 

問題は「内臓脂肪の増加」

しかも、こうした更年期の肥満は、ただ太りやすくなるだけではありません。

エストロゲンが減って、内臓脂肪が燃焼しづらくなる。そこに大きな問題があるのです

 

内臓脂肪とは?

基本的なお話になってしまうかもしれませんが、そもそも体脂肪には、以下の2種類が存在します。

脂肪の2タイプ
  • 皮下脂肪:皮膚のすぐ下につく脂肪で、生活習慣病との関連性は薄いとされているタイプ
  • 内臓脂肪:お腹の臓器の周辺につく脂肪で、生活習慣病との関連が深いとされているタイプ
Chie
今回重要なのは、後者の内臓脂肪です。

 

内臓脂肪が増加すると?

では、内臓脂肪が増加するとどうなるのでしょうか。広く知られているのは、メタボリックシンドロームの危険性が高まることです。

 

近年は「メタボ」という略称がひとり歩きし、「ただ太っている」という意味で捉えられがちですが、それは間違った認識。

メタボリックシンドロームとは、

  • 高血圧
  • 高血糖
  • 高脂血症

このうち2つ以上を患っている場合に診断される、れっきとした病気です。

 

そして、これらの異常は血液中で起こるため、血管が硬くなってしまう「動脈硬化」の原因になります。3つ全ての異常を抱えてしまうと、動脈硬化のリスクは約36倍になると言われています。

動脈硬化性疾患のなかには、狭心症や脳卒中、心筋梗塞など、命を脅かす病気が数多く存在します。メタボリックシンドロームはただの「太っている状態」ではなく、こうした危険性を孕んだ恐ろしい病気なのです。

Chie
つまり、40代になるとエストロゲンが減少し、内臓脂肪が増える。内臓脂肪が増えると、メタボリックシンドロームを発症しやすくなる……ということですね。

 

三つ巴のリスク

しかし、そもそもなぜ内臓脂肪が増えると、メタボリックシンドロームのリスクが高まるのでしょうか。

実は内臓脂肪は、「高血糖」「高血圧」「高脂血症」を一度に引き起こしやすい特性を持っているのです

 

またまたちょっぴり複雑ですが、そのメカニズムを説明させてください。

まず、内臓脂肪が増加すると、「アディポネクチン」という長寿ホルモンの分泌量が減少します。すると、血中の糖質をエネルギーへと変換する「インスリン」の働きが悪くなります。

つまり、血糖値が高くなり、メタボリックシンドロームの診断基準のひとつである「高血糖」の状態になるのです。

 

それだけではありません。

血中の糖質をエネルギーに変換できないと、体は脂肪からエネルギーを調達しようと試みますこれにより脂肪が分解され、血液中に入りやすくなり、血中脂質の高まった「高脂血症」の状態へと近づきます

 

また、インスリンの分泌量が落ちると、すい臓はそれを補うためにさらなるインスリンを分泌しようと働きます。

すると、今度は腎機能が低下し、血圧を維持する物質が正常に機能しなくなるその結果、「高血圧」の状態をもたらすのです。

 

つまり、内臓脂肪の増加によってインスリンが働かなくなると、三つ巴のリスクに繋がるということ。

そのため、更年期による内臓脂肪の増加は、メタボリックシンドロームへと直結する恐ろしさを秘めているのです。

 

更年期対策には肥満外来への通院を

ならば、更年期の女性は、こうしたリスクをどう対策すればいいのでしょうか。

 

やはり大切なのは、正しい食生活を送ることと、運動を習慣づけることです。

不幸中の幸いと言うべきか、内臓脂肪は運動で減らしやすい性質を持っています。適度な有酸素運動を継続して行うことで、リスクを少なくすることはできると言われています。

 

とはいえ、それはあくまでもまだ肥満になっていない人の場合。

すでに肥満に陥りつつある人は、メタボリックシンドロームや動脈硬化が進行している可能性もあるため、少しでも早く肥満外来に相談するべきだと思います。

 

また、更年期障害も重なった場合、ホルモンバランスの変化によるさまざまな不調が体に現れます。

そのような状態のなか、強い意志を持って日々の生活習慣をコントロールするのは難しいこと。そもそも自己流で改善を試みても間違った方法になっている場合は多く、逆に悪影響を及ぼすケースもあります

 

▼自己流ダイエットの危険性について。

自己流ダイエットのデメリットと危険性とは?リバウンドや生活習慣病のリスクを高めるワケ

2018.10.18

 

更年期の肥満治療は、しっかりと「継続できること」と「健康に悪影響を与えないこと」が非常に重要なのです。

双方を考慮するなら、肥満外来に足を運んでみるのが最もリスクの少ない方法だと、個人的には思います。

 

▼クリニック探しの参考に。

ABOUTこの記事をかいた人

かつてはBMI35以上の高度肥満症でしたが、肥満外来に通って3ヶ月で体重11%減の激痩せに成功。今は学生時代のように美容も楽しめるようになりました。そんな私の実体験を生かし、肥満外来に関する情報を発信します。