月経異常・妊娠合併症

月経異常・妊娠合併症とは?

月経異常とは、月経が正常に行われなくなっている状態のことです。たとえば、一般的な月経周期は25~38日、持続日数は3~7日、出血量は20~140mlと言われていますが、これらの正常値を上回ったり下回ったりする状態を、月経異常と呼びます。

一方の妊娠合併症とは、持病持ちの人が妊娠することや、妊娠中に何らかの病気を患ってしまうこと。主な合併症に「妊娠糖尿病」や「妊娠高血圧症候群」、さらには子宮が後方に傾いた状態になる「子宮後屈」、子宮と膣までの通り道が開いて流産のリスクを高める「子宮頸管無力症」などがあります。

症状 月経異常/月経周期・持続期間・出血量の異常、月経痛・腹痛などの諸症状。妊娠合併症/各合併症の諸症状
合併症 月経異常/無月経、不妊症など。妊娠合併症/妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群、子宮後屈、子宮頸管無力症など

 

肥満と月経異常の関係は?

陸上競技の選手など、痩せ型の女性アスリートは月経異常を起こしていることが多いですよね。これは、脂肪から分泌される「レプチン」が、生殖機能を持っているからです。

体脂肪が極端に少ないと、血液中のレプチン濃度も下がるため、生殖機能に問題が生まれます。肥満の場合、それとは逆のことが起こります。血液中のレプチン濃度が上昇しすぎると、身体はそれを抑えて本来のバランスを取り戻すために、レプチン抵抗性の状態になります。すると、生殖機能が正常に作用しなくなり、月経異常や不妊症、性器からの不正出血などさまざまな症状へと繋がるのです。

また、月経異常はホルモンバランスの乱れによっても引き起こされる症状。更年期に差し掛かっている人などは、特に注意が必要です。

 

肥満と妊娠合併症の関係は?

肥満と妊娠は、いずれも体内の「インスリン抵抗性」を高める状態です。

そもそもすい臓から分泌される「インスリン」は、血液中の糖質をエネルギーへと変換する役割を担っています。インスリン抵抗性が高まり、インスリンが正常に働かなくなると、血糖を高いまま抑えられない高血糖に。つまり「糖尿病」の状態になり、これが妊娠糖尿病のメカニズムです。その他の合併症も、妊娠中の体調の変化が肥満と同時期に起こることで、さまざまな病気の引き金を引いてしまうことが原因です。

 

いずれも大事なのは肥満の解消

月経異常と妊娠合併症、いずれも大事なのは肥満を解消することです。

特に妊娠糖尿病の場合は、血糖を厳しく管理することが最善策。食前には100mg/dL未満、食後の2時間は126mg/dL未満にしなければならないため、緻密な食事指導を行ってくれる肥満外来に通うことは有効な選択肢でしょう。

また、妊娠中に自己流のダイエットをするのは非常にリスキー。栄養士の力を借りて健康的な食生活を身につけることで、良い出産にも繋がると思いますよ。