痛風

痛風とは?

ある日突然、「風に当たるだけでも痛い」と言われるほどの激痛に襲われる病気が「痛風」です。痛風の70%は、足の親指の付け根に炎症が生じますが、そのほかに足の甲、足首、膝、足の甲、くるぶし、親指以外の指の付け根、手の指の関節、手首、肘などで起こることもあります。

痛風の原因は、血液中の「尿酸」という物質です。この尿酸が体内に蓄積し、それが結晶になって激しい関節炎を発症します。尿酸値は平均的に男性のほうが高いため、痛風は20歳以降の男性に多く、女性にはほとんど見られません。

症状 足の親指の付け根や全身の関節が炎症し、痛風発作と呼ばれる激痛に襲われる。痛みは1週間から10日ほど続く。
なりやすい人 肥満の人、特にプリン体を摂りすぎている人
合併症 高血圧、メタボリックシンドローム、心筋梗塞、慢性腎臓病、尿路結石 など

 

痛風の主な症状は?

痛風の原因である血液の尿酸値が高い状態を、「高尿酸血症」と言います。高尿酸血症が続くと、知らないうちに尿酸がたまり、急に関節が腫れ上がって耐えがたい痛みを放ち、24時間以内にピークを迎えます。発作的な症状なので「痛風発作」と呼びますが、大半は1週間から10日ほどで次第に治まり、徐々に症状がなくなっていきます。

しかし、だからといって放置は禁物です。大半の場合、1年以内にまた発作が起こるからです。それを繰り返していると、足首や膝の関節まで腫れはじめ、発作の間隔も徐々に短くなっていきます。最終的には、重度の慢性痛風になる危険性も高いです。

また、高尿酸血症になると、高血圧、メタボリックシンドローム、心筋梗塞、慢性腎臓病、尿路結石といった病気のリスクも高まります。ある研究では、尿酸値の低い集団より尿酸値の高い集団のほうが、死亡率も高まるという報告もあります。

 

痛風と肥満の関係は?

では、なぜ肥満の人は痛風に襲われやすいのでしょうか。

その原因は、尿酸を作り出す「プリン体」の多い食品(肉や内臓、魚介類など)を食べすぎている傾向が強いからです。実際に、痛風の患者に大食の人はとても多く、痛風患者の60%が肥満というデータもあります。

痛風の予防に必要なのは、第一に食生活の見直しです。アルコールを控えるのはもちろんのこと、レバーや魚の白子など、プリン体の多い食品の食べすぎにも気をつけましょう。肥満外来なら、患者ごとにベストな食事を栄養士が管理するため、こうした偏食を解消できます。

また、肥満で尿酸値の高い人が減量すると、尿酸値が正常になるケースも少なくありません。その他、1日2リットルのミネラルウォーターを飲むなど、水分をよく摂ることも大切です。尿の量が増えるため、尿酸が排泄されやすくなります。精神的なストレスも尿酸値を高めるので、無理なダイエットはくれぐれも控えましょう。