肥満外来を受診する際、保険を適用できるケースがあります。保険の適用内になれば、予算の不安も解消でき、とても心強いですよね。
今回は、
- 保険適用の条件は?
- 料金の目安は?
- 減量手術にも保険はおりるの?
といった疑問にお答えしながら、私が「保険の適用されないクリニック」を選択した理由も紹介します。
保険適用の条件は?
まずは誰もが気になる、保険適用の条件から解説しましょう。
保険が適用されるためには、当然ながら肥満が健康状態に悪影響を与えていると認められなければなりません。基本的には、BMI35以上の「高度肥満症」の人が対象になると考えてください。
その他、肥満外来での治療において、保険の適用内になるのは以下の人です。
- BMI35以上、または肥満度70%以上の「高度肥満症」の人
- BMI30以上で重篤な病気の危険性がある人
- 肥満による高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を患っている人
- 肥満によるいびきや睡眠時無呼吸症候群を患っている人
- 肥満による腰痛や関節痛に悩まされている人
- その他、肥満が原因の障害を抱えている人
ただし、上記に当てはまるからといって、必ずしも保険適用になるとは限りません。最終的には医師の総合的な判断によって決まることが多いようです。
保険診療を受けられるのは「病院」のみ
もう一つ気をつけたいのが、保険診療を受けられるのは「病院」のみということです。それ以外の医療機関で治療する場合は、すべて自由診療となります。
皆さんは、病院と診療所の違いをご存知でしょうか? 病院とは、
- 患者が入院できるベッドの数が20床以上ある医療機関
のことで、それ以外の医療機関は「診療所」という括りになります。
病院は「○○病院」という看板を掲げていますが、診療所は「○○診療所」「○○医院」「○○クリニック」といった名前のところが多いですね。
そして、肥満外来は他の診療科と比べて、診療所の割合が多いです。
肥満の治療にはさまざまな手法があります。そのため、医療機関も大小問わず、自ずと多岐にわたるのです。
保険適用時の料金は?
では、保険診療となった場合、治療にかかる料金はどれくらいなのでしょうか。
大前提として、肥満治療にかかる料金は、患者の状態によってピンキリです。明確な数字は言い切れません。
その上で一般的な相場を申し上げると、1回の通院あたり数千円ほどになるようです。
通院の頻度は、はじめのうちは月に2回、その後は月に1回のペースで、最低でも3ヶ月間ほど通います。ただし、これも患者の状態や病院の方針によって異なります。
なお、初回の診療では血液検査やCT、心電図などで検査を行うため、2万円前後はかかると見ておくのが無難ですね。
病院での治療の内容は?
では、保険の適用内となった場合、病院ではどのような治療を行うのでしょうか。
病院で行われるのは、オーソドックスな肥満治療です。
まずは血液検査やCTによって体内の状態を把握し、カウンセリングを通じて肥満の原因を特定します。その後、個人に合わせたダイエットプログラムを作成し、患者はそれを実践していきます。
治療の内容は基本的に、食事療法、運動療法、薬物療法、メンタル療法の4つ。なかでも軸になるのは食事療法とメンタル療法です。
食事療法では、毎日の食事内容を患者が記録し、医師から正しい食生活の指導を受けます。メンタル療法では、ダイエットに取り組むよう意識改革を促します。
運動療法と薬物療法は、あくまでも治療のサポートという役割だとか。
それもそのはずで、実は体重を1キロ落とすには、フルマラソンを2回走るくらいの運動量が求められます。また、薬物療法に関してもリスクがあり、根本的な治療にもならないため、治療のサポートとして位置づけるのは当然の判断です。
▼薬物療法のリスクについてはこちら
減量手術に保険は適用されないの?
ちなみに、病院のなかには以下のような「減量手術」を行なっているところもあります。
- 胃バイパス手術:胃を20〜30ccの小袋にカットし、小腸に繋ぐ手術
- 胃バンディング手術:胃にバンドを巻いて締めつけ、上部と下部に二分割する手術
- 腹腔鏡下袖状胃切除術:胃の大部分をカットし、バナナ1本程度の大きさにしてしまう手術
かつては手術の費用はすべて自費でしたが、現在では「腹腔鏡下袖状胃切除術」のみ保険適用で行えます。
料金は部位によって異なりますが、決して安くない手術になります。また、減量手術はその他の治療と違い、非常にリスクも高いので、詳しくは医療機関にご相談ください。
▼減量手術について詳しくはこちら
管理人はなぜ「保険の適用外」で治療を受けたのか?
さて、ここまで肥満外来の保険について話してきましたが、実は管理人は保険の適用外で治療を受けています。
私の通っていた「メディケアダイエット」は、病院ではなくクリニックだったからです。
保険適用の条件に合致しなかったわけではありません。管理人はBMI35以上の、れっきとした高度肥満症の患者でした。
それでもメディケアダイエットを選択したのは、実は「保険診療では治療の幅が限られる」からです。
これは、私がメディケアダイエットで、保険について相談したときに伺ったお話です。
ですが、肥満の原因は患者の数だけ存在します。患者一人ひとりの性格、食事の好み、生活習慣などと向き合って治療の内容を考えないといけないため、自由診療のほうがより本質的な治療を行えるケースもあるのです。
たとえば、メディケアダイエットでは患者に合ったダイエットプログラムを作るために、最初の1〜2ヶ月をカウンセリングに費やします。
これにより患者の性格、好みの食べもの、食事のサイクルなどを踏まえた「本当に無理のないプログラム」へと仕上げてくれるので、ダイエットに挫折してばかりの私でも治療を継続できました。
こうした独自のメソッドは、保険診療にはないものです。
病院で保険診療を受けるか、診療所で自由診療を受けるか。
どちらにもメリット・デメリットがあるため、できることならさまざまな医療機関に足を運び、自分に合っているほうを選択するのがおすすめです。
▼クリニック選びの参考に。