そもそも肥満症とは?

そもそも肥満症とは?

肥満は悪化すると、糖尿病や高血圧、脂質異常症、最悪のケースでは心筋梗塞などの虚血性心疾患など、重篤な合併症を引き起こします。

こうした生活習慣病を併発している、あるいは併発しかねないほどに悪化した状態は「肥満症」と呼ばれ、保険も適用される正真正銘の「病気」です。

症状 肥満症自体に症状はないため、主に生活習慣病の症状。ただし、生活習慣病の多くは自覚症状がなく、重篤化しやすい。
なりやすい人 食べすぎの人、運動不足の人、遺伝的に太りやすい人、逆に食事量が少ない人
合併症 糖尿病、脂質異常症、高血圧、動脈硬化、メタボリックシンドローム、心筋梗塞、脳梗塞、肝臓・腎障害、関節障害、睡眠時無呼吸症候群など

 

肥満症の症状は?

肥満症自体に症状はありません。肥満症の引き起こすさまざまな病気に症状があります。

なかでも発症しやすいのが生活習慣病で、肥満が悪化する裏には、ほぼ間違いなく乱れた生活習慣が存在します。

 

代表的なのは以下のような病気です。

肥満が引き起こす生活習慣病

・糖尿病
・脂質異常症
・高血圧
・動脈硬化
・メタボリックシンドローム
・虚血性心疾患
・脳梗塞などの脳血管疾患
・脂肪肝などの肝臓障害
・腎障害
・変形性膝関節症などの関節障害
・睡眠時無呼吸症候群 など

恐ろしいことに、こうした生活習慣病の多くは、主に血管、関節、呼吸器などの異常を引き起こします。

なかでも血管に問題をきたすと、虚血性心疾患や脳血管疾患といった、命に関わる重病にも繋がりかねません。肥満症が病気とみなされるのは、これらの難病と密接に結びついているからです。

 

さらに、生活習慣病のほとんどは自覚症状がありません。

潜在的な患者がとても多いと言われているのが特徴で、自覚症状がみられる頃には、すでに重症化しているケースも枚挙にいとまがありません。肥満を「太っているだけ」と思って放置していると、病魔はじわじわと体を侵していくことでしょう。

 

指標となるBMI値

肥満であるかのボーダーラインは体脂肪量によって決まりますが、体脂肪量をはかる手軽な方法はありません。そのため、世界的に重宝されているのが、自身の肥満度を数値化した「BMI(ボディ・マス・インデックス)」という指標です。

BMI値の算出方法は以下の通り。

BMI値=体重(kg)÷〔身長(メートル)×身長(メートル)〕

→BMI診断はこちら

 

国内におけるBMI値の見方は、18.5未満で痩せすぎ、18.5以上25未満で標準体型。これが25以上になると肥満とみなされ、35以上になると保険も適用される「高度肥満症」と認められます。

さらに肥満にはBMI値に基づいたレベルも設定されており、30以上は肥満2度、35以上は肥満3度、40以上は肥満4度、というように重篤化するほど上がっていきます。

 

肥満症には早期治療が大事

肥満改善で大切なのは、早期治療です。急激に不健康になるわけではないため、「痩せなきゃ」とは思いつつも放置している人は多いのではないでしょうか。

これは非常に危険です。肥満の背景には乱れた生活習慣があるため、放置しても多くは悪化するだけ。身体の見えないところでは、糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病が進行していきます。

 

肥満外来では、体内を細かく検査するため、肥満の原因因子や生活習慣病の有無なども抜け漏れなく割り出せます。そのため、肥満を高確率で撃退でき、スピーティな治療にも繋がるのです。

肥満の改善はあくまでも「治療」。自己流のダイエットで闇雲に痩せようとするのではなく、医学の力を借りて治していくことが大切です。