肥満外来の治療のなかでも、最もポピュラーなのが「食事療法」です。この記事では、
- 食事療法って何?
- 具体的な内容は?
- どんな流れで治療を進めるの?
など、食事療法の基本的な内容を解説します。
食事療法とは?
摂取カロリーを抑えたり、脂質の少ないヘルシーな献立を考えたり、太りづらい食材を取り入れたり……。ダイエットを志す人なら、皆さんいちどはチャレンジしてきたと思います。
ですが、最近はありとあらゆるダイエットの食事法がささやかれ、どれを信じたらいいのかわからないことも増えてきました。
特にネットには、医学的な根拠のない情報も氾濫しています。これらの知識を頼ってしまうと、思うような効果を得られないばかりか、健康上のトラブルをも引き起こしかねません。
クリニックで行う食事療法は、
専門家による診察・検査に基づき、患者ごとに適切な食事を指導する
というものです。
摂取カロリーから栄養バランスに至るまで緻密に計算されるため、しっかりとした効果を期待できます。
食事療法の具体的な内容は?
肥満外来の食事療法は、医師や栄養士、カウンセラーによる問診からスタートします。
これにより、現在の食生活やライフスタイル、食事の好みなどを細かく共有。さらには、BMI診断や血液検査などを行い、現在の健康状態も正確に測定します。
その上で、一人ひとりに最適化された食事プランを作り、患者はそれに沿って規則正しい食生活を送っていきます。
ただし、その目的は「1ヶ月で10キロ痩せる!」というような、短期間での成果を求めるものではありません。
乱れた食生活を改善し、健康な体を取り戻すことで、中長期的に体重を落としていきます。根本的に痩せやすい体質を作っていくので、リバウンドしやすい過度な食事制限などは行いません。
このようにモチベーションを加味した食事の管理をしてくれるのも、肥満外来の食事療法の大きなメリットです。
食事療法の主な流れ
ということで、食事療法の主な流れは以下の通りです。
1. 診察、検査、カウンセリング
カウンセリングにより現在の食事の傾向を共有。さらに、肥満度の測定や血液検査により、体の状態も把握する。それに基づき、必要な食事量や栄養素を算出する。
2. 食事プランの決定
患者の状態を踏まえて、管理栄養士の判断のもと食事プランを決定。1日あたりの食事量と栄養バランスについてアドバイスを行う。
3. 患者による食事改善
患者は1日3食、指示された食事量を守りながら、栄養バランスにも気遣った食事を続ける。
4. PDCAサイクルを回す
定期的に体を検査し、結果に応じて食事指導。こうしたPDCAサイクルを回しながら、3ヶ月以上のスパンでしっかりと継続していく。