シリーズ「メディケアダイエット論」は、私の通っていた肥満外来「メディケアダイエット」で教わった痩せるメソッドを紹介する連載。
第4回のテーマは「ストレスによる過食」。ダイエットのストレスで食べ過ぎてしまうのはもちろんのこと、仕事や人間関係のストレスで過食に走ってしまう人もいると思います。悪化するとうつ状態になったり、過食嘔吐を繰り返したりと、本当に辛い日々を送っている人も少なくないでしょう。
今回は、メディケアダイエットで聞いたお話をもとに、ストレスによる過食の原因と改善策について紹介します。
過食の原因は「本能と理性のギャップ」
私自身、太った原因の一つは仕事の部署異動に伴うストレスでした。
連日、遅くまでは残業しては、家に帰って3〜4時間ほど眠り、また会社に。さらには仕事上の不安も絶えず、そんなストレスを穴埋めするために常に何かを食べていました。
過食というほどではないものの、明らかに食べすぎなのに歯止めは効かない……。しかも、頭のどこかには常に「また太ってしまう」という意識もあったので、食後の罪悪感たるや目も当てられませんでした。
岡田先生から過食についてのお話を聞いたのは、そんな悩みを打ち明けたとき。まだカウンセリングを始めたばかりの時期でした。
過食に走ってしまう理由はシンプルです。人間は強いストレスを感じると、身近な幸福で埋め合わせようとします。つまり「食事」という幸福に頼ってしまうんです。
ダイエットのストレスにせよ、仕事や人間関係のストレスにせよ、ほとんどの人に当てはまると思います。
というより、過食を改善したいならむしろ、そこで自分を責めるのは良くないんです。過食してしまった自分を、まずは許さなきゃいけません。
この自責の念は、いわば「理性」です。一方で、理性の制止を振り切って暴走してしまっている食欲は「本能」だと考えてください。
そして、自責の念に駆られれば駆られるほど、それがまたストレスになって食べてしまう。完全に負のスパイラルですよね。
過食の人は、決して忍耐力が弱いわけじゃないんです。むしろ自分を正そうとする意思が人一倍強い人ほど、過食に陥りがちな傾向を感じます。
なかなか難しいかもしれませんが、自分は悪くないということをまずは認識してほしいです。
「痩せるロジック」を理解しよう
そのため、まずは自分でどうにかできる内的なストレスから取り除きましょう。つまり、もし過食に走ってしまっても、自分を許してあげてください。
本当に「太ってしまうのも避けられない」のだとしたら。
一時的に体重が増えたとしても、1週間もあれば元に戻せます。食べすぎた分の食事量を翌日以降に少し減らせば、体重はきちんと減るんですよ。無理をする必要もありません。
極端な話、Chieさんは「また太ってしまう」と思って強いショックを受けているわけですが、実際には全く深刻な問題じゃないんです。
大切なのは、痩せるロジックを知識としても実感としても理解すること。どうしたら痩せるかを学びましょう。やるべきことさえわかっていれば、食べてしまっても「じゃあこうしよう」と思えるじゃないですか。
あらかじめこのことを理解しておけば、1回や2回の食べすぎは気にならない。それどころか、ストレスをコントロールするために好きなものを好きなだけ食べる日を作ることもできるようになります。
食欲は本能です。でも、現在は「食べたい」という本能を、理性で押さえ込もうとしてますよね。そうではなく、普段からちゃんと満たしてあげれば、自分でも制御できないような食欲に振り回されることは減っていきます。
ストレスを解消しよう。過食に代わる楽しみを見つける
人間は慢性的なストレスに晒されると、コルチゾールというストレスホルモンが増加します。すると体が飢餓状態になり、ストレスが食欲を作り続けてしまうと言われています。
プライベートでは食事以外の楽しみに没頭し、どんどん本能を満たしてあげましょう。Chieさんは読書と映画鑑賞が趣味でしたよね? 思う存分楽しんでください!
そして、休日はそれらを思うがまま行動に移していく。すると毎日に張りが出て、エネルギッシュになり、ストレスの総量も減っていきます。
もちろん私たちにもなんでもご相談ください。通院の日でなくても、メールなどを送ってくださって構いません。特にダイエットに関する悩みは、誰にでも話せることじゃありませんからね。
過食は体からの「辛い」「助けて」というサインかも
たとえば、必須アミノ酸の一つであるトリプトファン。たんぱく質に多く含まれる成分なんですが、これが足りないと脳内のセロトニンの働きに支障を起こします。
Chieさんが過食に走ったときのことを思い出してほしいんですが、過食するときに食べてるものって、だいたい炭水化物か甘いものじゃありませんか? 菓子パンとかチョコレート、あとはラーメンなどの麺類……。
これによりトリプトファンが不足し、脳内がセロトニン不足に陥る。それがストレスを引き起こし、結果的に過食へと走らせている。このように、過食が実は体からの「助けて」というメッセージだった、というケースはよく見かけます。
食事は目に見えた体型だけでなく、目に見えない心にも作用している。そのことをしっかりと理解することが大切です。
そんななかで無理なく食生活を改善するにはどうしたらいいか。それを皆さん一人ひとりに合わせて考えるために、私たちプロが存在するんです。一緒に頑張っていきましょう。
まとめ
今回のお話をまとめると、過食を引き起こす原因は大別して3つ。
- 理性と本能のギャップ
- ストレスホルモン「コルチゾール」増加による飢餓状態
- 必須アミノ酸「トリプトファン」不足など、栄養不足に対する体からのサイン
原因はどれか1つのこともあれば、3つすべてが入り混じっているケースもあるそう。どれが先、どれが後という順番も一概には言えないため、総合的にアプローチしていくのが大切だと思います。
特に過食の難敵はストレスです。「これで痩せる!」と確信しながらダイエットに取り組めなければ、それは不安という名のストレスになって過食を悪化させます。よしんば痩せると信じられても、結果に結びつかなければやはりストレスになるでしょう。
過食にお悩みの人にはプロの手が必要で、肥満外来との相性は良いと思います。ぜひ通院を検討してみてはいかがでしょうか。
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私の通っていた肥満外来「メディケアダイエット」で学んだ、本当に正しいダイエットの知識をまとめています。