シリーズ「メディケアダイエット論」は、私の通っていた肥満外来「メディケアダイエット」で教わった痩せるメソッドを紹介する連載。
第4回のテーマは「不妊と肥満の関係」。肥満は女性ホルモンに影響を与え、不妊症の原因になります。今回は、メディケアダイエットで聞いたお話をもとに、肥満と不妊の関係とその改善策について紹介します。
もくじ
肥満で不妊症になる原因は
肥満と不妊の関係について伺ったのは、通院中のふとした質問でした。
やっぱりゆくゆくは結婚して幸せな家庭を育みたいので……気になります。
でも、不妊に悩まされていても肥満を改善していない人は多いですよね。「肥満で不妊になる」ということは知っていても、その原理はあまり知られていないので。
- 肥満によって糖代謝や脂質代謝がおかしくなり、無排卵になってしまう
- 肥満によって「PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)」を引き起こしてしまう
肥満によって「PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)」になる原因
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)とは?
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)とは、卵巣で男性ホルモンが増加してしまい、卵胞の発育を妨げる病気です。これにより排卵障害を引き起こします。
超音波検査をすると、卵巣にとどまった多くの卵胞(嚢胞)を確認できることから多嚢胞性卵巣と呼ばれています。女性の20〜30人に1人の割合で発症します。
なお、不妊以外に自覚できる症状は、
- 月経周期が35日以上
- 月経周期が不規則になった
- にきびが増えた
- やや毛深くなった
- 肥満
など。
PCOSによる排卵障害は年齢とともに悪化し、月経周期も長くなっていきます。症状の重さは人それぞれで、20代なら自覚症状のないまま妊娠できるケースもあるそうです。一方で、あまり症状の出ない状態で不妊になっている人もいるため、注意しないといけません。
肥満でPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)になるメカニズム
この「インスリン」という言葉、ダイエットに取り組んできたChieさんなら聞いたこともあるのでは?
そもそもインスリンは、血中の糖質をエネルギーに変換し、血糖値を一定に保つ役割を担っています。
ですが、血糖値を急上昇させる甘いものや炭水化物ばかり食べていると、徐々にすい臓が疲労し、インスリンの分泌が上手くいかなくなってくる。こうして悪化した先に待っているのが、インスリンの効き目が弱まった状態「インスリン抵抗性」です。
これにより引き起こされるのが、「高インスリン血症」という状態です。この状態になると、女性ホルモンであるエストロゲンが減少したり、男性ホルモンであるテストステロンが増加してしまいます。
つまり、高インスリン血症によって増加した男性ホルモンが、PCOSの原因になってしまうのです。
肥満が必ずしもPCOSの原因になるわけじゃないですが、大きな関連性を持っていることは認識しないといけません。
子宮体癌や流産・難産になる危険性も
怖いのは、重度の月経不順です。古い子宮内膜を更新できないまま長期間、子宮内に居座ってしまいます。このような古い内膜は異常内膜を生み出し、その一部が癌化してしまうと言われてるんです。
出産までたどり着いても、難産になってしまったり。もちろん、著しくそのリスクが高いわけではないですが。
お母さんも赤ちゃんも苦しんだ末に、帝王切開で対応するケースもあります。しかも、標準体型の人より脂肪が分厚いため、執刀も深くなり自ずと時間も長引いてしまうんです。
実際、体外受精について集計したデータによると、BMI値が上がるほど妊娠率は低下し、流産率は上昇しているとか。しっかりとお腹に命を宿すために、ダイエットは不可欠なのです。
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肥満の解消=不妊治療。大切なのは「必要な栄養素の摂取」
ただし、張り切りすぎて急激なダイエットはしないように気をつけてくださいね。体は栄養不足に陥ると、命に関わる臓器などに優先してエネルギーを送ろうとするため、卵巣の機能を停止させることもあります。
そもそも不健康な母体のなかで赤ちゃんを育てるのは危険ですし、本末転倒にならないように。
それさえ守れれば、好きなものを食べても体重はしっかりと落ちていきます。巷では「ダイエット=食事制限」と捉えられていますが、それは間違い。大切な母体を守る意味でも、栄養とエネルギーを十分に摂取しながら、健康的に痩せることを目指しましょう。
あとはストレスにもご注意を。懸命に気を張って食事制限に励んでいても、心の糸を切らしてしまうとあっという間にリバウンドします。妊活中の女性にストレスはつきものなので、これは賢明な方法とは言えません。
食べること自体を制限しなくても、食べるものをしっかりと選び、食べ方を改善すれば、妊娠率は高まります。だから安心して、無理のないダイエットに励みましょう。
実は不妊と密接な関係を持っていた肥満。そのリスクは恐るべきものでしたが、一方でしっかりと痩せることで不妊の改善を期待できる、というのは心強い話だとも思いました。
とはいえ、体に必要な栄養素は、その人の現在の食生活や体の状態によって異なるもの。基本的には糖質とたんぱく質のバランスを取りながら、豊富な野菜を摂取することが近道ですが、その限りではありません。また、仕事やライフスタイルの関係上、どうしても食事が偏ってしまうケースもあります。
そこでプロの出番です。肥満外来なら、食事や運動、メンタルに精通した専門家のもと、本当に必要なダイエットのプロセスを指導してもらえます。健康に痩せる方法がわからない人は、肥満外来を頼ってみるのも一つの手ではないでしょうか。
▼メディケアダイエットを検討するなら。
私の通っていた肥満外来「メディケアダイエット」で学んだ、本当に正しいダイエットの知識をまとめています。