肥満と病気の恐ろしい関係とは?生活習慣病を引き起こすリスクと原因を解説

Chie
こんにちは! 肥満外来経験者のChieです。

突然ですが皆さん、肥満をただの「太っている状態」だと思っていませんか?

実は肥満は、糖尿病や脂質異常症など、さまざまな生活習慣病・合併症を引き起こす危険な状態。重度になると保険も適用される、れっきとした病気です。

ここでは、知っておきたい肥満と病気の関係を解説します。

 

肥満と病気の恐ろしい関係

肥満は悪化すると、さまざまな病気を誘発します。

その多くは生活習慣病で、糖尿病や高血圧、脂質異常症、さらには心筋梗塞など、命に関わる疾病へと発展するケースもあります。

このように、健康に大きな打撃を与える肥満は「肥満症」と呼ばれ、保険の適用も認められます。肥満症は正真正銘の疾患であり、医学的に治療が必要な状態なのです。

そもそも肥満症とは?

2018.05.02

 

肥満の基準は、体脂肪の量に基づいて決まります。

体脂肪量を測るポピュラーな方法として普及しているのが、「BMI(ボディ・マス・インデックス)」という指標を使った診断です。

日本では、BMI値が25以上になると肥満35以上になると重度の肥満=肥満症と見なされます。これは、BMI25前後を境目に、高血圧、脂質異常症、耐糖能障害といった合併症の発症率が上がることが理由です。

→BMI診断はこちら

 

男性の3人に1人、女性の5人に1人が肥満

こうした肥満を持つ人の割合は決して少なくありません。

厚生労働省の発表によると、平成28年度の20歳以上を対象とした肥満者の割合は、

肥満者の男女比
  • 男性:31.3%
  • 女性:20.6%

であり、実に男性の3人に1人、女性の5人に1人が肥満となる計算です。

Chie
男性に肥満の割合が多いのは、女性ほど見た目や健康に関心を持っていないことが大きな理由と言われています。

特に30〜40代の働き盛りの男性は気をつけましょう。

 

30代は男女ともに、運動を習慣化している人が最も少ない年代です。

平成25年度の調査によると、日常的に運動している男性は18.4%、女性に至っては9.8%にとどまっており、多くの人が運動不足に陥っていることが見て取れます。

肥満はいまや、国民病と呼べるほどに広まっているのです。

 

肥満の持つ恐ろしいリスク

そんな肥満ですが、急激に健康を損なうわけではないため、何もせずに放置している人も少なくありません。

Chie
「会社の健康診断で肥満と診断されたけど、食事や生活習慣は見直していない……」なんて状況、心当たりもあるのでは?

これは非常に危険です

 

重篤な生活習慣病に発展

前述の通り、肥満は見た目を変えるだけでなく、放置すると糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病に発展します。

しかも、これらは一つだけでなく同時多発的に発症し、メタボリックシンドロームなどの合併症の原因になるのです。

また、高血糖や高血圧は血管に負担のかかる状態なので、進行すると動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞といった重病にも繋がります

 

そもそも日本人は生活習慣病を発症しやすい

あまり知られていませんが、日本人は生活習慣病を発症しやすい民族です。

近年、日本人の生活習慣病の割合は急上昇しており、その背景には、インスリン分泌能力の不足という日本人特有の理由があります。

Chie
ちょっとした異常でも生活習慣病を引き起こすからこそ、私たちは肥満には細心の注意を払わなければならないのです。

 

その他、肥満は体重の負荷による関節障害、睡眠時に何度も呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群にも繋がります。

特に睡眠時無呼吸症候群は、起床後のさまざまな体調不良やストレスのほか、突然死の恐れもある非常に恐ろしい病気です。

 

肥満で大切な「早期解決」

肥満の治療で大切なのは、早期解決です。油断して放置していると、糖尿病や高血圧はどんどん進行し、体内を蝕んでいきます。

 

さらに厄介なことに、生活習慣病のほとんどは、初期段階では目に見えた症状が出ません

水面下で悪化する性質のため、自覚症状が現れるころには、著しい健康障害を抱えている場合も多いです。

 

また、肥満に陥る多くの理由は、1日の摂取エネルギーが消費エネルギーを上回り、それが日常化しているから。

つまり、日々の悪習慣によって起こるべくして起こっているので、風邪のように自然と治ることはありません。乱れた生活にメスを入れない限り、肥満は日を追うごとに悪化し、体もその生活に順応するため、痩せづらい体質へと変わっていくのです。

 

Chie
だからこそ、健康に痩せられる肥満外来に通う必要があるのです。

▼正しい治療を受けるなら。

 

肥満でかかりやすい病気

さて、ここからは、肥満によって引き起こされる主な病気を紹介します。

 

糖尿病

糖尿病とは、血糖値が上昇する病気です。高血糖は血管を傷つけるため、特に血管の細い神経や目、腎臓の合併症を引き起こしやすいのが特徴です。

糖尿病を疑われる人は、日本人の約1000万人とも言われていますが、自覚症状がほとんどなく、いつの間にか悪化させてしまうケースも少なくありません。

高血圧

血圧とは、血管壁にかかる圧力のこと。これが正常値より高くなると、高血圧と呼ばれる状態になります。

血管壁に圧力がかかり続けると、血管にダメージを与え、動脈硬化などを引き起こすため、最悪の場合は脳梗塞、心筋梗塞、腎不全などに発展します。日本人の有病者は4300万人とも言われています。

脂質異常症

脂質異常症は、血液中の脂肪分濃度が多くなったり少なくなったりする病気です。自覚症状が現れない一方で、悪化すると動脈硬化に繋がり、重篤な病気の引き金になります。

大別して「原発性高脂血症」と「続発性高脂血症」の2種類に分けられ、肥満が原因になるのは後者です。

痛風

足の親指の付け根などが、発作的な激痛に襲われる痛風。30~50代の男性に多く、日常生活に支障をきたすほどの痛みが1週間ほど続きます。

体内の尿酸が過剰になることで起こるため、痛みが治まったからと放置していると、腎疾患や尿路結石、動脈硬化に繋がります。

心筋梗塞・狭心症

心筋梗塞・狭心症は、いずれも冠動脈の詰まりが引き起こす病気です。

冠動脈とは、心臓の筋肉に血液を送る動脈のことで、塞がると心臓に酸素や栄養が届かなくなり、重度の場合には命に関わります。特に心筋梗塞は、死亡率12~30%の非常に危険な病気です。