肥満外来の治療では、患者のメンタル面をサポートする「メンタル療法」も行われます。個人的にメンタル療法は、肥満外来を受診する大きなメリットの一つだと思います。
この記事では、
- メンタル療法って何?
- 具体的な内容は?
- どんな流れで治療を進めるの?
など、メンタル療法の基本的な内容を解説します。
メンタル療法とは?
と決意したはずが、つい食べ過ぎてしまったり、運動をサボってしまったり……。ダイエットに失敗する人のよくあるパターンですよね(私もそうでした)。
ダイエットを成功させるために必要なのは、メンタルをしっかりとコントロールすること。
しっかりとダイエットを継続したり、辛い停滞期を乗り越えるためには、意志力やモチベーションを保つことは欠かせません。
そこで多くの肥満外来では、心理士やカウンセラーによるメンタルサポートに力を入れています。
ダイエット中にありがちな、
- 食べちゃダメだとわかっていても、なぜか我慢できずに食べてしまう
- 仕事や人間関係のストレスで、過食に走ってしまう
- 「また食べてしまった……」とガッカリ。ダイエットを続けられない自分を責めてしまう
などの辛い心理状態を、時に励まし、時に一つひとつ整理しながら、優しくサポートしてくれます。
これにより、無理なくダイエットを継続できるように気持ちを変えていくのです。
そもそも太ってしまう人は、ストレスによる過食や生活習慣の乱れを抱えている場合も少なくありません。
そのため、メンタルサポートは、肥満の根本的な原因を改善することに繋がるのです。
メンタル療法の具体的な内容は?
とはいえ、一口に「メンタルサポート」「カウンセリング」と言われても、何をするのかピンとこないかもしれません。
- しっかりと効果を感じられるものなのか?
- 専門家ならではのアドバイスをもらえるものなのか?
特にこの2点は、皆さん気になるところですよね。
私の経験から、いくつか具体例をお話しします。
私の通ったクリニック「メディケアダイエット」では、心理士の資格を持ったカウンセラーが、患者に専属でついてくれます。
まずは最初に、毎日の食生活、過去のダイエットの経験、失敗の理由、悩みなどをじっくりとヒアリング。私の失敗談を踏まえたダイエットの方針を、オーダーメイドで考えてくれました。
特に心強かったのは、家族や友人にも打ち明けられない悩みも話せたこと。
ダイエットの悩みって、知り合いには言いにくいじゃないですか。けれど、大好きな甘いものを減らしたり、日々の生活習慣を変えたりするのは、やっぱりストレスになる日もあります。
そんなとき、カウンセラーの先生は、対面のみならずメールでも真摯に悩みを聞いてくれました。
それどころか、経験則から「そろそろモチベーションの停滞期かな」と予測し、先回りしてアドバイスしてくれることもあったのです。
どんなに優れたダイエットプログラムも、実行できるかはメンタル次第。
そのサポートをしてくれるメンタル療法は、クリニック選びにおいて譲れないポイントだと思います。
メンタル療法の主な流れ
メンタル療法の主な流れは以下の通りです。
1. 専門家によるカウンセリング
カウンセリングによって過去のダイエット経験、生活習慣、ストレスなどをヒアリング。さらには体質、遺伝的な要因なども話し合い、肥満の原因を探っていく。
2. オーダーメイドのプログラム作成
医師、管理栄養士、薬剤師らと連携し、カウンセリングの結果に基づいたダイエットプログラムを作成。患者に無理のない治療のフローを提案する。
3. ダイエット中のメンタルサポート
プログラムの実行を手助けするメンタルサポート。2週間に1回程度のペースで通院し、カウンセリングを行うほか、メール等での相談にも対応。また、カウンセリングごとにプログラムを修正し、無理なく着実にダイエットしていく。