今回は、肥満度の指標となる「BMI(ボディ・マス・インデックス」の診断ツールを作ってみました。身長と体重を入力するだけで簡単に計算できます。
肥満外来への通院を検討している人は、まずはこのBMI値を算出してみましょう。
BMI値が“安全圏”であれば問題ありませんが、一定値を超えていた場合は治療の必要な状態となります。
BMI診断ツール
結果はいかがでしたか? BMI値の早見表と、診断結果の見方はこちら。
BMI値 | 肥満レベル |
18.5未満 | 痩せ型 |
18.5~24 | 普通 |
25~29 | 肥満レベル1 |
30~34 | 肥満レベル2 |
35~39 | 肥満レベル3(保険適用内) |
40以上 | 肥満レベル4(保険適用内) |
以下では、BMI値ごとの肥満の状態を詳しく説明していきます。
BMI値が18.5未満の人
痩せすぎ、または低体重の状態です。
このBMI値の人は、栄養不足や免疫力の低下による、さまざまな体調不良のリスクが高まります。
また、食事を摂っても正しく体内に還元できていない可能性があり、胃腸や消化器系の異常も疑われます。
過剰な食事制限をしている人は、今すぐ控えましょう。BMI値は闇雲に下げればいいのではなく、あくまでも標準値を維持することが大切です。
BMI値が18.5〜25未満の人
適正値とされている数値です。健康で病気にもかかりにくく、理想的なBMI値と言えるでしょう。
ただし、なかにはBMIで見つけ出せない「隠れ肥満」も存在します。
隠れ肥満とは、体重は正常値であるものの、体脂肪率が男性で25%以上、女性で30%以上である状態。見た目ではわからない「内臓脂肪型肥満」の人が多いとされています。
内臓脂肪の増加は、さまざまな病気の原因になります。
たとえば、血液中の糖質をエネルギーへと変換する「インスリン」の働きを落としたり、脂肪細胞から血圧を高める物質が分泌し、高血圧のリスクが高まったりします。
さらには、遊離脂肪酸をエネルギーとして消費しきれず、肝臓へと流れ込むため、肝機能も低下。糖尿病や高脂血症、悪化すると脳卒中などの重篤な生活習慣病に繋がります。
「最近お腹周りがポッコリと出てきた」なんて人は、BMI値は正常でも隠れ肥満の可能性があります。ウエストを測り、男性なら85㎝以上、女性なら90㎝以上の人はご注意を。
BMI値が25以上の人
この数値の人は、日本では「肥満」と定められています。
これは、BMI値が25を越えるとさまざまな生活習慣病のリスクが高まるからです。放置していると、以下のような生活習慣病を発症する原因になります。
- 糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
- 動脈硬化
- メタボリックシンドローム
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
- 肝臓・腎障害
- 関節障害
- 睡眠時無呼吸症候群 など
特に危険なのは、BMI値が35以上の人です。
これは、病的な肥満である「高度肥満症」と呼ばれる状態で、肥満外来では保険の適用も認められるれっきとした「病気」です。
生活習慣病の多くは自覚症状が出づらく、気づきにくいかもしれませんが、すでに合併症を患っている可能性も少なくありません。間違った食事や生活習慣を早急に改めなければ、健康状態は悪化の一途を辿るでしょう。
▼肥満と病気の関係についてもっと詳しく
肥満の早期治療には肥満外来へ
肥満の人はそもそも、非常に不健康な状態です。自己流のダイエットに頼るのではなく、医学的な治療を行うべき段階にあると思います。
肥満外来なら、医師、栄養士、薬剤師、カウンセラーといった専門家の指導のもと、患者ごとに最適化された治療プログラムを受けられます。しっかりとした検査も行われるので、健康かつ確実に肥満を治療できるのではないでしょうか。