「飲むだけで痩せる」は嘘!ダイエットサプリの10の真実とは?【メディケアダイエット論 #3】

Chie
こんにちは! 肥満外来経験者のChieです。

シリーズ「メディケアダイエット論」は、私の通っていた肥満外来「メディケアダイエット」で教わった痩せるメソッドを紹介する連載。

第3回のテーマは「ダイエットサプリの真実」。よく「飲むだけで痩せる!」と銘打ったサプリを見かけますが、残念ながら眉唾ものも多いです。今回は、実際にサプリを処方しているメディケアダイエットで聞いたお話をもとに、ダイエットサプリの真実へと迫ります。

 

ダイエットサプリの真実1:誇大広告が多い

Chie
雑誌やCMなどでダイエットサプリの広告を見ると、よく「飲むだけで驚くほど痩せた!」「1ヶ月でマイナス10キロ!」といった文字が踊っています。

私もその言葉に何度となく誘惑されてきましたが……あれって実際に痩せるんですか?

岡田先生
「服用するだけで痩せる」という書き方をしているダイエットサプリは、どれも誇大広告です。

その証拠に、こうしたダイエットサプリには例外なく「※個人の感想です」などのエクスキューズが書かれています。そもそもサプリメントとは、日本では「健康補助食品」を指す言葉。医療品ではないため、効果を保証するような書き方をするのは禁止されているんです。

Chie
やっぱりそうですよね……。
岡田先生
そもそも、それほど効果のあるダイエットサプリなら、肥満外来をはじめ医療のシーンでも使われているはずですからね。もちろん、すべてのサプリがまったく効果がないわけではありませんが、本来の効果より大げさに書かれているのは確かです。

 

サプリメントの世界では、こうした誇大広告が横行しているそうです。東京都福祉保健局の調査によると、サプリメント125品目中105品目が表示広告に関する法例違反、またはその疑いがあることが判明しています。それだけ誇大広告が多いのです。

もちろん国も注意してはいるのですが、再発防止を求める措置命令だけで回収や営業停止命令は滅多にありません。仮に数百万円の罰金を科せられても、その間に何億円と稼いでいますから、メーカーは痛くもかゆくもないとか。

 

「でも、○○学会で発表とか、科学的根拠も書いてあるよ?」という反論もあるかと思います。

ですが、学会で発表されたのと、正式に認可が下りたのでは大きく違います。そもそも論文は「論じるための文」なので、論文があるから信頼できるわけではありません。それどころか、その論文をサプリ会社が別名義で作っている、なんてケースもあるそう。

昨今はアフィリエイトも問題視されているように、ダイエットサプリの世界は誇大広告で溢れています。購入を検討する場合、そのことをしっかりと頭に入れておいたほうがよいでしょう。

 

ダイエットサプリの真実2:嘘の口コミが氾濫している

Chie
でも、ダイエットサプリについて調べれば調べるほど、効果を実感できた!という口コミが出てきます。

やっぱりあれも、悪い大人の息がかかっているんでしょうか?

岡田先生
全部が全部そうではないと思いますよ。ですが、アフィリエイトに誘導するための「嘘の口コミ」が多いのも事実のようです。

 

メーカーの公式サイトや通販サイト、あるいはブログで商品を紹介している記事には、「実際にダイエットサプリを飲んで痩せることができた!」という口コミが溢れています。ですが、それらの9割以上は嘘、つまり架空の口コミです。

私はまだ経験がないのですが、私のようにブログを書いている人のところには、ダイエットサプリのメーカーからアフィリエイト記事の執筆依頼がくることがあるそうです。

「商品の効果と口コミを書いてブログにのせてほしい」と依頼され、口コミはどうやって揃えるのかと尋ねると、「類似商品の口コミを参考にして新しく作ってください」と言われることがほとんどです

しかも、商品が売れなければ意味がありませんから、「好意的な口コミを7割、否定的だけど改善が可能な口コミを3割」等と指定されます。

ブロガーの多くが自らの収入のために嘘の口コミを掲載した記事を書いているというのが業界の実情です。

もっといえば、通販サイトの口コミ・感想欄に「効果があった」という内容の口コミを書いてくれるよう頼んでくるメーカーもいます。クラウドソーシングなどのサイトを見ていると、1文字0.1円などでこうした仕事の募集を見かけます。主婦や学生などを中心に、飲んでもいないダイエットサプリの口コミを書いている人が大勢います。

このように、もはや口コミは嘘が当たり前の状態になっているのです。

 

ダイエットサプリの真実3:サプリの役割はダイエットの補助

Chie
メディケアダイエットでもサプリの処方をしてますよね。これは市販のダイエットサプリとはどう違うんでしょうか?
岡田先生
私たちが処方しているのは、ダイエットのサポートになる栄養素としてのサプリです。

サプリはそもそも「栄養補助食品」で、足りないものをカバーするのが役目。ダイエットの根幹に据えるようなものではなく、ベースとなる食事療法や運動療法があります。そして、それでは不足してしまう栄養素を体内に取り入れたり、ダイエットの効果を後押しするために使っています。

そう、サプリはあくまでも栄養補助「食品」。あくまでも薬ではないので、薬効などは存在しません。

しかし、必要な栄養素を調整することで、ダイエットの効果を高めたり、太るのを食い止めることはできます。ダイエットの方法や食事の傾向によって相性がいいものを見極めれば、しっかりと恩恵は得られるのです。

ですが、数あるサプリの選択肢のなかから、自分の体調・体質・ライフスタイルに合ったサプリを選び抜くのは至難の技。それをフォローするために、メディケアダイエットのようなプロがいます。

 

ダイエットサプリの真実4:脂肪燃焼系サプリの嘘

ここからは、ダイエットサプリのタイプ別によくある嘘を書いていきます。

まず、ダイエットサプリを大きく分けると、

  1. 脂肪燃焼系
  2. 吸収抑制系
  3. 食欲抑制系

の3つに分けられます。

特に多いのが、①の脂肪燃焼系ダイエットサプリです。

 

販売しているメーカーの公式サイトを見ると、

  • 「○○が脂肪を燃焼させる」
  • 「脂肪を燃焼させる△△配合」

などなど、脂肪燃焼効果のある原料について大仰な説明が記載されています。ショウガやトウガラシなんかがメジャーですね。

しかし、体についている脂肪を燃焼させるには、まずは血液中のカロリーを使い切らなければなりません。つまり、肥満の人はまず、カロリーオーバーしている生活を改善するのが先決。そのままの生活では血液中のカロリーを使い切ることがなく、脂肪を燃焼させるまでに至らないのです。

また、ショウガやトウガラシで体温を上げて基礎代謝アップ、という方向性のサプリもあります。ですが、トウガラシのカプサイシンやショウガの成分で基礎代謝の値が変化するほどの体温変化は、どんな実験でも確認されていないそうです。ひどい場合、参考のグラフやサーモグラフィーの下に「※画像はイメージです」と書かれていることも。

これではいくら脂肪燃焼系のダイエットサプリを飲んでも、痩せることはありません。

 

ダイエットサプリの真実5:吸収抑制系サプリの嘘

脂肪燃焼系に次いで多いのが吸収抑制系のダイエットサプリです。

余分な糖質や脂質が体に吸収されるのを防ぎ、排出するというのが主な理屈。しかし、どのメーカーの公式サイトをみても、どれくらいの量の糖質や脂質について吸収を抑制してくれるのかが書いてありません。

また、あくまでも余分な糖質や脂質について作用する訳ですから、今以上に太ることを防止することはあっても、すでに体についている脂肪を落とす効果はありません。

にもかかわらず、「体重が-○○㎏」などと書かれているとしたら、それはもう嘘ですよね。

 

ダイエットサプリの真実6:食欲抑制系サプリの嘘

食欲抑制系のダイエットサプリは、ほかのタイプよりは信用できるかもしれません。

なぜならこうしたサプリの多くは、お腹の中で膨らむ食物繊維を使っています。これにより満腹感を得られるため、食事の量が減るのです。物理的な方法なので、これは荒唐無稽ではありません。

とはいえこれも、「飲むだけで驚くほど痩せる」とは程遠いです。これでは結局のところ、サプリの力を借りながら食事をどれだけ制限できるかというところに帰結してしまうので、健康的な痩せ方とも言えません。

 

ダイエットサプリの真実7:正しい服用方法を記載できない

服用方法を「飲むだけで」と書いてしまっている要因として、そもそもダイエットサプリは細かな服用方法を記載できないという問題もあるようです。

本来なら食生活や運動不足の改善と併用することで効果を発揮するサプリも、医療品ではないため、正しい服用方法を十分に記載できないのです。これでは当然、効果は半減してしまいます。

逆に言えば、自分のダイエットの方向性や、肥満の原因にピンポイントでマッチしたサプリを選べば、抜本的なダイエットにも繋がります。しかし、それを自己判断するのは非常に困難。そのためメディケアダイエットのようなプロの手を借りる必要があるのです。

 

ダイエットサプリの真実8:もちろん効く人もいるが……

もちろん、ダイエットサプリのすべてがダメなわけではありません。なかには効果を得られる人もいます。足りない栄養素をサプリでカバーできれば、結果的に痩せることはあるでしょう。

ただし、痩せた人のなかにはプラシーボ効果も含めて、「痩せた=サプリのおかげ」と考えている人がいることも言及しなければなりません。本当はほかの努力が実ってるのかもしれないのに、サプリをやめられないスパイラルに陥っているのです。

あるいは、飲みはじめてからすぐに1〜2キロの減量に成功したという人もいます。ですが、これは偶然の産物かもしれません。

岡田先生
人間は機械ではないので、体重は普通に生きているだけでも上下動します。体重が減ったかを判断するためには、体重の推移をしっかりグラフ化し、平均値が落ちているかを見てください。

 

ダイエットサプリの真実9:サプリで死亡事件も起こっている

最後に警鐘を鳴らしておきたいことがあります。それは、過去にはサプリによる死亡事件も起こっているということ。

中国産のダイエットサプリ『せん之素こう嚢』をネットで購入し、飲んだ女性が肝機能障害を起こして亡くなったことがありました。それどころか、メーカーはこの不祥事のあとも、商品名とパッケージだけを変えて、同じものを販売していたそうです。

特に、100円ショップなどで売られている『安すぎるサプリ』は安全面が心配されます。海外の衛生状態がよくない工場で製造されている可能性もあるので、生産地を見てください。栄養素は10%で残りの90%はすべて添加物といった粗悪なサプリも少なくありません。

 

ダイエットサプリの真実10:結局、必要なのは本質的なダイエット

サプリは体内に入れるもの。気軽な気持ちで買ってしまうと、効果を得られないばかりか、健康を大きく害してしまうこともあります。基本的に、安易に信用していいものではないということを頭に入れておくべきではないでしょうか。

健康を第一に考えるなら、やはり肥満外来の受診を。肥満の原因となっている生活習慣を改善していくため、体を健康にアップデートしながら、確実な減量を期待できます。「飲むだけで痩せる!」のような魔法はありませんが、私は最大限、無理をしなくていい提案をしてもらえました。しっかりと現実を見据えてダイエットしたい人は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。