せっかく痩せることに成功しても、すぐにまた太ってしまう……。そんな「リバウンド」に悩まされている人も多いのではないでしょうか。
私自身、肥満外来に通うまでは何度もリバウンドを繰り返していました。そのたびに「また我慢できなかった……」と罪悪感に苛まれていました。
今回は、私の通っていた肥満外来「メディケアダイエット」で教わったリバウンドの原因と、その対処方法を紹介します。
リバウンドの原因1:急激な減量
リバウンドについて教えてくれたのは、院長の岡田先生。話のきっかけは、実際に治療を受け始めて、肥満の悩みについて聞かれたことでした。
人間の体には、ホメオタシスという機能があるんです。
たとえば、汗をかくのもその一例ですね。運動で体温が上がったり、風邪を引いて高熱を出したりしたら、体は平熱に戻るために汗をかくじゃないですか。これこそまさに、ホメオタシスの働きによるものです。
実は脳には、以前の体重が記憶されてます。そのため、急激なダイエットで体重が落ちると、体は危機感を覚えて以前の体重に戻そうとするんです。
これにより、急激なダイエットのあとの食事は、以前よりも脂肪に変換されやすくなります。
だからこそ、メディケアダイエットでは無理なく正しい食生活を送って、表面体重を減らすのではなく、意味のある減量を行うことを推奨しているんです。
リバウンドの原因2:過剰な食事制限
はい。過剰な食事制限は栄養不足を引き起こしたり、摂食障害の原因になります。
それだけじゃなく、体は食事制限でエネルギー不足に陥ると、“省エネ運転”を始めるんですよ。つまり、余計なカロリーの消費を抑えて、脂肪をため込もうとする。
これは食事にありつけない日もあった動物の頃からの生存本能ですね。
すると、せっかくダイエットに成功しても満腹感を覚えにくい体質になり、知らないうちに食べ過ぎてしまうんです。
食事はむやみに制限せず、バランスを整えた上でしっかりと食べなきゃいけません。その量と質を正しくコントロールするために、私たちプロが存在します。
リバウンドの原因3:意識と本能のバランスが崩れる
過剰な食事制限による急激な減量、好きなものも食べられない……。積み重なったストレスの反動で爆食いしてしまうのは、もはや当然の流れですよね。
ただ、問題はここから。いちど過食に走ってしまうと、ダイエットの歯車は狂い始めてしまいます。その理由は「意識と本能のギャップ」が生まれるからです。
察するに……これまでに何度も、自責の念に駆られたのではありませんか?
意識と本能が同じベクトルを向いていないと、それはそのままストレスになります。「食べちゃダメなのに、食べてしまった」と。
つまり、「食事」という幸福を求めてしまう。
これでまた「食べちゃダメなのに、食べてしまった」と自分を責めて、そのストレスから逃れるために食べてしまう。負のスパイラルですよ。これこそが、多くの人に起きている「肥満を悪化させるサイクル」です。
- 意識が「食べてはいけない」と思う
- 本能を満たすため、意識を無視して食べてしまう
- 意識が食べてしまったことを後悔する
- ストレスになる
- 本能が満たされなくなり、「食べたい」と思う
- また食べてしまい、ストレスになる
負のスパイラルから抜け出すには?
それともう一つ、食事以外の楽しみに没頭し、本能を満たしてあげるのもおすすめです。Chieさんは読書と映画鑑賞が趣味でしたよね?
好きなことを楽しむと、セロトニンやノルアドレナリンといった「食欲調整ホルモン」が分泌されて、食欲の暴走を抑制できます。
あとは何より、ダイエットを楽しむことが大切ですね。
たとえば、単に体重を落とすことを目標にするのではなく、痩せることで実現される未来を想像してみましょう。スリムになったら着たいと思っているドレスやスーツを、あらかじめ買っておくのも良いかもしれません。
とびきりワクワクする未来を思い描いてください。そうすれば、そこに近づくためのダイエットもまた、ワクワクするものになると思いますよ。
さて、このようにリバウンドの原因の多くは、
- 急激な減量
- 過剰な食事制限
- 食事を我慢し続けたストレス
- 意識と本能のギャップ
であると岡田先生。逆に言えば、これらの問題が解決されれば、リバウンドのリスクは大幅に軽減できるということです。
とはいえ、食事を我慢せずに痩せることは、なかなか自分では難しいもの。栄養管理はもちろんのこと、好きなものをダイエット用の献立に取り入れるのは専門知識、プロの知見も求められます。
リバウンドにお悩みの方は、いちど肥満外来の無料カウンセリングなどを検討してみてはいかがでしょうか。