厄介なリバウンドの原因と対処法とは?肥満外来で教わった内容をもとに解説します。

Chie
こんにちは! 肥満外来経験者のChieです。

せっかく痩せることに成功しても、すぐにまた太ってしまう……。そんな「リバウンド」に悩まされている人も多いのではないでしょうか。

私自身、肥満外来に通うまでは何度もリバウンドを繰り返していました。そのたびに「また我慢できなかった……」と罪悪感に苛まれていました。

今回は、私の通っていた肥満外来「メディケアダイエット」で教わったリバウンドの原因と、その対処方法を紹介します。

 

リバウンドの原因1:急激な減量

リバウンドについて教えてくれたのは、院長の岡田先生。話のきっかけは、実際に治療を受け始めて、肥満の悩みについて聞かれたことでした。

岡田先生
これまでのダイエットで辛かったことや、お悩みのことはありますか?
Chie
実はこれまで一時的に痩せたことはあるんですけど、いつもリバウンドしてしまうんです。本当に忍耐力がなくて。
岡田先生
ふむふむ……Chieさん、それは忍耐力のせいじゃないかもしれません。もしかしてChieさんは、短期集中型のダイエットをしてたんじゃないですか?
Chie
えっ? はい。確かにリバウンドしてしまったのは、「頑張って痩せるぞ!」と意気込んで、食事の量をきっちり制限して、一気に体重を落としたときでした。
岡田先生
だとすると、Chieさんがリバウンドしてしまったのは急激な減量のせいですよ。人間は急激に減量すると、リバウンドするようにできてます。

人間の体には、ホメオタシスという機能があるんです。

Chie
ホメオタシス?
岡田先生
はい。これは、体の状態を一定に保つための安全装置のような機能です。

たとえば、汗をかくのもその一例ですね。運動で体温が上がったり、風邪を引いて高熱を出したりしたら、体は平熱に戻るために汗をかくじゃないですか。これこそまさに、ホメオタシスの働きによるものです。

Chie
なるほど。でも、それがダイエットとなんの関係が?
岡田先生
ホメオタシスは体温だけじゃなく、体重も一定に保とうとするんですよ。

実は脳には、以前の体重が記憶されてます。そのため、急激なダイエットで体重が落ちると、体は危機感を覚えて以前の体重に戻そうとするんです。

これにより、急激なダイエットのあとの食事は、以前よりも脂肪に変換されやすくなります

Chie
えっと、つまり急激な減量は、逆に太りやすい体質を作ってしまうってこと……!?
岡田先生
おっしゃる通りです。急激に減らされた体重は、いわば“表面体重”。見せかけの体重に過ぎません。

だからこそ、メディケアダイエットでは無理なく正しい食生活を送って、表面体重を減らすのではなく、意味のある減量を行うことを推奨しているんです。

 

リバウンドの原因2:過剰な食事制限

岡田先生
Chieさんがリバウンドしてしまった理由は、ほかにもあります。ずばり、過剰な食事制限です。
Chie
それは確かに、体に良くないと聞きます……。
岡田先生

はい。過剰な食事制限は栄養不足を引き起こしたり、摂食障害の原因になります。

それだけじゃなく、体は食事制限でエネルギー不足に陥ると、“省エネ運転”を始めるんですよ。つまり、余計なカロリーの消費を抑えて、脂肪をため込もうとする

これは食事にありつけない日もあった動物の頃からの生存本能ですね。

Chie
体に悪いばかりか、これまた太りやすくなるんですか!
岡田先生
そうです。しかも食事を減らすと、満腹中枢を刺激する「レプチン」というホルモンの分泌も弱まってしまいます。

すると、せっかくダイエットに成功しても満腹感を覚えにくい体質になり、知らないうちに食べ過ぎてしまうんです。

Chie
ああ〜、完全に悪循環ですね。
岡田先生
レプチンが適正量に戻るには、約1ヶ月もの時間が必要になります。その間、満たされない空腹感を耐え続けるのは極めて難しいですよね。

食事はむやみに制限せず、バランスを整えた上でしっかりと食べなきゃいけません。その量と質を正しくコントロールするために、私たちプロが存在します

 

リバウンドの原因3:意識と本能のバランスが崩れる

岡田先生
そしてChieさんがリバウンドしてしまった3つ目の理由、それはシンプルにストレスです。

過剰な食事制限による急激な減量、好きなものも食べられない……。積み重なったストレスの反動で爆食いしてしまうのは、もはや当然の流れですよね。

ただ、問題はここから。いちど過食に走ってしまうと、ダイエットの歯車は狂い始めてしまいます。その理由は「意識と本能のギャップ」が生まれるからです。

Chie
意識と本能のギャップ?
岡田先生
はい。たとえば、先ほどChieさんは自分のことを「忍耐力がない」とおっしゃっていました。

察するに……これまでに何度も、自責の念に駆られたのではありませんか?

Chie
そうですね……。「また食べてしまった」という罪悪感に苛まれたり、「自分は食べることさえ我慢できない人間なんだ」と思い詰めてしまったことは、一度や二度ではありません。
岡田先生
辛かったかと思いますが、その「食べちゃダメだ」と理性を訴えるのが意識です。一方で、理性でわかっていても「食べたい!」と暴走してしまうのは本能ですね。

意識と本能が同じベクトルを向いていないと、それはそのままストレスになります。「食べちゃダメなのに、食べてしまった」と。

Chie
すごく心当たりがあります。
岡田先生
もっと悪いことに、人間はストレスを感じると、そこから逃れるために手軽な幸福を探します

つまり、「食事」という幸福を求めてしまう

これでまた「食べちゃダメなのに、食べてしまった」と自分を責めて、そのストレスから逃れるために食べてしまう。負のスパイラルですよ。これこそが、多くの人に起きている「肥満を悪化させるサイクル」です。

肥満を悪化させるサイクル
  1. 意識が「食べてはいけない」と思う
  2. 本能を満たすため、意識を無視して食べてしまう
  3. 意識が食べてしまったことを後悔する
  4. ストレスになる
  5. 本能が満たされなくなり、「食べたい」と思う
  6. また食べてしまい、ストレスになる
Chie
先生。これ、完全に私です。

 

負のスパイラルから抜け出すには?

Chie
ど、どうやったら負のスパイラルから抜け出せるんでしょう?
岡田先生
まずは食欲に負けてしまっても、自分を許してあげてください。自分を責めれば責めるほど、食欲は増すばかりですから。

それともう一つ、食事以外の楽しみに没頭し、本能を満たしてあげるのもおすすめです。Chieさんは読書と映画鑑賞が趣味でしたよね?

Chie
はい。あと最近は、舞台や歌舞伎にも興味があって。
岡田先生
いいじゃないですか! そういった趣味にどんどん挑戦し、どんどん夢中になってください。

好きなことを楽しむと、セロトニンやノルアドレナリンといった「食欲調整ホルモン」が分泌されて、食欲の暴走を抑制できます。

Chie
セロトニンにそんな効果が!
岡田先生
あるんです。

あとは何より、ダイエットを楽しむことが大切ですね。

Chie
そんなことが可能なんですか?
岡田先生
もちろん。食事を減らすことに「楽しい」と感じる人はいませんが、ダイエットに「楽しい」と感じることは十分に可能です。

たとえば、単に体重を落とすことを目標にするのではなく、せることで実現される未来を想像してみましょう。スリムになったら着たいと思っているドレスやスーツを、あらかじめ買っておくのも良いかもしれません。

とびきりワクワクする未来を思い描いてください。そうすれば、そこに近づくためのダイエットもまた、ワクワクするものになると思いますよ。

 

さて、このようにリバウンドの原因の多くは、

  • 急激な減量
  • 過剰な食事制限
  • 食事を我慢し続けたストレス
  • 意識と本能のギャップ

であると岡田先生。逆に言えば、これらの問題が解決されれば、リバウンドのリスクは大幅に軽減できるということです。

とはいえ、食事を我慢せずに痩せることは、なかなか自分では難しいもの。栄養管理はもちろんのこと、好きなものをダイエット用の献立に取り入れるのは専門知識、プロの知見も求められます。

リバウンドにお悩みの方は、いちど肥満外来の無料カウンセリングなどを検討してみてはいかがでしょうか。