肥満外来を検討していると、必ずと言っていいほど、こんな疑問に直面すると思います。
- 具体的にどうやって治療を進めるの?
- 料金の相場は?
- 保険の仕組みは?
ここでは肥満外来の治療の流れと、料金や保険の基本的な仕組みについて紹介します。
肥満外来の基本的な治療方法
まずは基礎のき、肥満外来にどんな種類の治療があるのか見ていきましょう。
5つの治療方法
肥満外来で行われる治療は、主に以下の5つです。
- 食事療法
- 運動療法
- メンタル療法
- 薬物療法
- 外科手術
「食事療法」と「運動療法」は読んで字のごとく、ダイエットのための食事と運動を指導する方法です。
ただし、一般的な自己流ダイエットと異なり、しっかりとしたカウンセリングや検査のもと、患者ごとに効果的な方法を的確に指導してくれます。
「メンタル療法」ではダイエットの妨げとなるストレスを取り除き、「薬物療法」では患者に合わせた抗肥満薬や、痩せやすい体質になる漢方薬などを処方します。
異色なのが「外科手術」で、手術によって胃の容量を減らしたりして、物理的に食欲を抑制してしまう方法です。
肥満外来ではこれらの治療を、栄養士や心理士、薬剤師といった専門家のフォローのもと、患者一人ひとりに合わせて行なっていきます。
▼治療方法についてはこちらのページにもまとめてます。
3つの治療方針
さらに肥満外来では、患者の肥満度に応じて、3つの治療方針を設定します。こちらはあまり馴染みのない言葉かもしれません。
- 情報提供
- 動機づけ支援
- 積極的支援
たとえば、軽度の肥満に対する「情報提供」では、肥満の悪化を防ぐための生活習慣の改善案を。
中度の肥満に対する「動機づけ支援」では、肥満の原因となっている生活の問題点を明らかにし、具体的なダイエット方法を指導します。
そして、重度の肥満に対する「積極的支援」では、3ヶ月から6ヶ月にわたる長丁場のダイエットプログラムを組み、計画的に治療へとあたります。
患者は毎日の食事はもちろんのこと、体重や歩数なども報告し、プログラムを継続しないといけません。
治療の目安になるBMI
では、こうした重度・軽度は、どのようにして診断されるのでしょうか。
肥満の度合いを決めるのは、日本肥満学会の定める「BMI(ボディ・マス・インデックス)」という指標です。
数値が25以上の場合に治療の対象となりますが、あくまでも目安なので、最終的にはその他の検査結果と総合して判断します。
BMI値の見方としては、18.5未満なら痩せすぎ、18.5〜25なら標準、25以上なら肥満。
肥満にはランクもあり、30以上は肥満2度、35以上は肥満3度、40以上は肥満4度、といった要領で上がっていきます。
肥満3度以上の患者は「高度肥満症」という状態に当てはまり、保険適用となるほか、抗肥満薬も処方されます。
肥満外来の治療の流れ
それではここからは、気になる治療の流れを紹介しましょう。
……といっても、基本的には一般の病院と大差ありません。ざっくり以下のような流れで、まずは患者に合った治療の内容を決定します。
- 問診を行い、抱えている悩みや症状を共有する
- BMIが25以上なのかを測定
- 血液検査、尿検査、心電図、レントゲンなどを駆使し、現在の健康状態と、肥満に起因する病気を抱えていないかを正確にチェック
- ここまでの結果に基づき、患者に合った目標体重とダイエットプログラムを作成
一般の病院と違うとしたらここから。
風邪を引いて病院にかかった場合、基本的には「薬を処方して終わり」ですが、肥満外来の場合、治療を実践するのは患者自身です(外科手術を除く)。
クリニックの作ってくれたダイエットプログラムに従い、日々の食事や生活習慣を自分で改善していきます。
平均的な治療期間は、2ヶ月から6ヶ月ほど。
患者は毎日の食事や運動を記録し、定期的に通院しながら、ダイエットの指導を受けます。
期間中は、スタッフがマンツーマン体制でサポートにあたり、相談にも適宜対応。治療の経過をしっかりと観察しながら、患者に合ったプログラムの見直しも行っていきます。
治療の流れには例外も
ちなみに、この治療の流れですが、すべてのクリニックが等しく採用しているわけではありません。
あくまでも一般論であり、細かい部分はクリニックごとの治療方針、設備の充実度などに左右されます。
しかしそのお陰で、自分の性格、外食の多い生活習慣などに合わせた指導をしていただき、無理なくダイエットを継続できました。
▼詳しいカウンセリングの体験記はこちら
肥満外来の料金相場
さて、「肥満外来に通いたい!」と思ったら、真っ先に気になるのは料金です。相場はどれくらいなのでしょうか。
……実は一言に「肥満外来」といっても、個人医院から美容クリニックまであるため、料金体系もさまざま。患者の症状や治療期間には個人差もあり、一概に相場をお伝えするのは難しいようです。
しかし、多くの病院は初回に血液検査、尿検査、CTなどを行うため、保険適用時でも5000円〜2万円は必要になるでしょう。あとは通院する期間に応じて、都度の治療費がかかることになります。
クリニックについてはピンキリですが、保険の対象外であるぶん、初診の料金は控えめな印象です。2ヶ月以上の通院になる場合は、総額10万円〜が相場になると思います。
無料カウンセリングを実施しているクリニックも多いため、まずは相談に伺ってみるのも手ですね。
▼私の通っていたメディケアダイエットにも、無料カウンセリングがありました。
保険適用の条件について
また、肥満外来では、病院での治療に限り、保険を適用できるケースもあります。
その対象となるのが、BMIが35以上、または肥満度が70%以上の「高度肥満症」という状態です。
高度肥満症になると、糖尿病や高血圧、動脈硬化などのリスクが高まるため、医療行為の必要性を認められます。抗肥満薬の処方を認められるのもこのライン。
それ以外でも、肥満を原因とする生活習慣病、いびき、睡眠時無呼吸症候群、腰痛、関節痛などの障害に悩まされている人は、保険の適用内になります。
とはいえ、最終的には医師の総合的な判断になることが多いようなので、高度肥満症に該当しない人は、まずは医師に相談してみるのがおすすめです。